経済協力トピックス

令和4年3月31日
母子健康手帳の全国展開戦略アドボカシー会合の開催
JICA技術協力「母子健康手帳を通じた母子保健サービス向上プロジェクト」(2017—2022)
 
 3月28日、丸橋大使は、アンゴラ保健省主催の「母子健康手帳の全国展開戦略アドボカシー会合」に出席しました。本会合は、国際協力機構(JICA)による技術協力「母子健康手帳を通じた母子保健サービス向上プロジェクト」の事業完了に伴い、日本人専門家によるサポートを得て保健省公衆衛生局が開催し、フランコ・ムフィンダ公衆衛生担当保健副大臣をはじめ、エルガ・フレイタス公衆衛生局長、州政府(ルアンダ州、ベンゲラ州、ウアンボ州)及び市レベルの保健関係者が参加しました。
 
 母子健康手帳は、妊娠・出産・産後の健康、ワクチン接種の記録、栄養指導、発育モニタリングなどを統合して管理する重要な記録であり、母親自らの健康管理に有用だけなく、母子保健医療関係者が手帳を活用した母子保健サービスを提供することで母子保健の向上に寄与する重要なツールのひとつです。
 
 アンゴラにおける母子健康手帳の導入は、2014年、ルアンダ州の9つのパイロット保健施設がJICAの支援により導入したのが始まりです。その後、本プロジェクト(2017年開始)により2018年にはルアンダ州、ベンゲラ州、ウアンボ州の3州の保健施設で導入、さらに、世銀やPSIなど他開発パートナーの協力を得て6州(ザイレ州、ルンダ・ノルテ州、ルンダ・スル州、ウイジェ州、クアンザ・ノルテ州、マランジェ州)に拡大し、現在アンゴラ9州で母子健康手帳を展開しています。
 
 本プロジェクトは、トヨタ・デ・アンゴラ社による手帳印刷のための資金協力により、これまでに75.5万冊の印刷を実現することが出来ました。会合ではムフィンダ大臣より、民間企業の協力及び日本政府・JICAの支援に対し、感謝の言葉が述べられました。
 
 また、本プロジェクトでは、保健省及びPSI/USAIDと連携し、情報通信技術を活用した「KASSAI」というeラーニング教材を開発し、医療従事者はスマートフォンなどを使用して、母子健康手帳の内容や記載方法について繰り返し学習することが可能になりました。
 
 アンゴラ保健省は、2025年までにアンゴラの全ての州で母子健康手帳を導入する目標を掲げています。本プロジェクトの経験が各州に共有され、アンゴラの母子健康手帳が全国展開を達成することを期待し、日本は、母子保健の向上と保健システムの強化に寄与する支援を引き続き行っていきます。