鈴木大使挨拶
令和5年1月20日

日本とアンゴラ共和国は、1976年に外交関係を開設して以降、経済協力を始め様々な分野で交流を進め、現在の友好親善関係を築いてきました。
アンゴラは、豊かな石油等の天然資源を背景に、内戦終結後は急激な経済発展を遂げてきました。一方で、石油資源に依存する経済構造が原因となり、2014年以降の油価の下落に加え、2020年にはコロナ禍で油価が急落したことにより、アンゴラ経済は苦境に陥りました。現在、アンゴラはその豊かな国土資源を背景に、石油資源のみに依存せず、ポテンシャリティーが高い農業・水産、観光業をはじめ、広く産業の「多角化」に努めております。
外交面においても、ロウレンソ大統領は昨年、第二期目再選を果たすや否や、積極的な外遊を行い、また、AUから地域間の紛争の仲裁を委任され、地域の安定と和平に向け積極的に取り組む等、特定の国に偏重することなく国際関係においても「多角化」を推進する姿勢は、内外から高く評価されております。
昨年はTICAD8がチュニジアで実施され、今後3年間で官民総額300億ドル規模の資金投入が発表されました。これまで日本としても、地雷除去、医療、教育、人材育成等の「人間の安全保障」分野における支援を通じて、アンゴラの社会基盤作りに寄与するとともに、インフラ整備を通じて国家の近代化に貢献してきました。また、これらの分野での支援の継続に加えて、近年はアンゴラ政府が期待するビジネス関係での二国間関係発展も視野に入れて、民間部門による投資やインフラ整備といった分野での経済関係多角化にも取り組んでいます。
最近のアンゴラの外交活動は、我が国との利害関係が一致する分野も多く、さらなる二国間関係の発展および国際場裏での協力関係の進展等が可能と考えます。これまでの二国間関係の発展およびアンゴラ政府が目指す「多角化」をキーワードに、あらゆる分野での協力関係の推進を追求していきたいと考えています。
今後とも皆様のご支援・ご協力を賜りますよう、宜しくお願いいたします。
2023年1月
駐箚アンゴラ共和国特命全権大使 鈴木 徹
駐箚アンゴラ共和国特命全権大使 鈴木 徹
大使略歴